AFEEでは、国連子どもの人権委員会の募集している「児童売買、児童搾取および児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書の履行におけるガイドライン案」についてコメントを提出致します。ついては、会員の皆さまに予めご意見を頂きたく、コメントを頂ければと思います。締め切りは3月16日17日20:00までとさせて下さい。
皆さんからの意見を役員会で集約し、最終文面を確定した上で、英訳したものを国連子どもの人権委員会に提出する予定です。
なお、本パブコメを提出するにあたり「すちゃもく雑記 2nd」を参考にさせて頂いたとともに、本ページからのリンクを快く引き受けて頂いたbeniuoさんに感謝いたします。
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参考資料
国連子どもの人権委員会のガイドラインに対するコメント
私たちエンターテイメント表現の自由の会(AFEE)は日本国内で表現の自由、とりわけマンガ・アニメ・ゲームなど日本の民衆文化に深く根ざした表現の自由を、エンターテイメント表現の当事者として擁護するための運動を行っています。
表現の自由は特に民主主義政治を支える基盤として、古くは「フランス人権宣言」や「世界人権宣言」などでもうたわれるもっとも重要な人権であり、私たちは表現の自由という価値観を人類共有の重要な価値観として共有できることを確信しています。
児童ポルノという用語について
まず私たちは、第6,65,66節において、子どもたちが受けた虐待を矮小化しないよう、「『児童ポルノ』という曖昧な概念が『児童の性的虐待物』、すなわち、性的虐待を受けている子どもたちの記録物(画像、ビデオ、音声記録など) 」として明示的に再定義されることを支持します。ただし、その範囲は実在の児童が実際に性的虐待を受けることと不可分に一体であるものに限定するべきだと主張します。
私たちは児童の性的虐待を即時に抑止するべき深刻な犯罪とみなす立場に立っており、実在する児童の性的虐待物を表現の自由という概念によって守ることを求めておりません。
子ども自身が作り出す性的画像について
また、第70節において、「子どもたち自身が自分たち自身についての性的画像を作り出す性的画像を作り出すことに対して、刑事上の責任を問われてはならない 」という意見にも、私たちは強く賛同します。
虐待を伴わない創作物について
しかし、私たちは本案第61,62,63,64節において、「児童の性的虐待物 」に無制約に創作物、描写物が含められることに危惧を抱いています。マンガやCGは、写真や映像とは異なり、創造の過程において児童の性的虐待を伴う必然性がないことは自明です。私たちの共通の目的は、児童の性的虐待の抑止であり、特定の宗教観・保守的な 道徳観の反映ではないと考えます。また、特定の宗教観・保守的な道徳観自体が、性的な表現物を忌避するものでありながら、一方でそのような主張を持つ人々が児童の性的虐待事件を起こしていることについても、留意を求めます。
この問題において「そのような描写は子どもを性の対象として見ることを正常化することに貢献し、子どもの性的虐待物の需要を刺激する 」という概念がしばしば便利に利用されていることは、科学的事実に基づかず、特定の宗教観・保守的な道徳観の実現を要求することに他なりません。
そして、最大の問題が、OPSCにおける合意の範囲が、ルクセンブルクガイドラインを含めたガイドラインで変更されようとしていることであると指摘します。OPSC第2条(C) で記載される児童ポルノの定義では、「(実在する)児童の表現」とされており、マンガなどが含まれていた場合でも、それは、実在の児童の性的虐待の写真などを挿入した極めて希なマンガ(日本の刑法史上、そのような事例は報告されていない)に限定されるべきです。特に委員会はこのことについて、ガイドライン上で明確に記載するべきです。
上記に記載した「児童ポルノ」の「児童」の定義に実在しない空想上の児童が含まれないことは、OPSC第2条の(a)(b)には明らかに空想上の児童が含まれないことから、(c)においても空想上の児童が含まれないこと以外に解釈の余地がないことが明らかであることも申し添えます。
日本のマンガ・アニメ・ゲームについて
日本のマンガ・アニメ・ゲームの表現物は、現代日本文化の中から生み出され、同じ文化の中の成人に向けても多くの作品が作られています。また、私たちのほとんどは、空想の世界で描かれたものを想像することと、社会の中で実際に行動を起こすことは全く異なるものであり、後者には責任が伴うことを理解しています。
子供の目にそれが入らないことについては当然配慮が必要だと考えています。一方、すべての場所から一切のそれらの表現物を排除せよというような要請は、しばしば特定の宗教観・保守的な道徳観に基づいており、そのような特定の価値観に基づいた表現物の排除は表現の自由という人権に対する侵害であると考えています。
また、人種形質的な側面にも触れておかなくてはなりません。人種形質という概念について正面から取り扱うことは、歴史的な人種差別を鑑みると非常に困難なことですが、しかし、私たち日本を含む東アジア・東南アジアの人々が、他の人々から低年齢に見えやすい姿で成人することは、留意が必要だと考えています。私たちの中の成人がどのような姿をしているかは、私たちの中の成人のイメージがどのような姿をしているかに直接的に反映します。従って、私たちの姿、創作者を含めた私たちが持つ成人のイメージは自然の結果のものであり、他の人々の児童虐待を許容するというような意図とは何の関係もありません。
マンガ・アニメ・ゲームの多様性について
また、第33節に示される「男らしさとジェンダー 」に関連して、マンガ・アニメ・ゲームなど日本の民衆文化においては、男らしさや固定的なジェンダー概念よりも、同性愛やトランスジェンダリズムを広く寛容に受け入れる動きが大きく見られ、日本社会の従来的な男らしさや固定的なジェンダー概念を実際に置き換えている文化的なうねりを形づくっていることを指摘します。
また、マンガ・アニメ・ゲームなど日本の民衆文化では、そのような性的少数者当事者、さらには子どもに対する性的虐待のサバイバーが、自らが受けた偏見や被害についての表現を行い、社会の中に居場所を見つけることにつながっている例があることも申し添えます。
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【会員意見募集】国連子どもの人権委員会のガイドラインに対するコメント
AFEEでは、国連子どもの人権委員会の募集している「児童売買、児童搾取および児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書の履行におけるガイドライン案」についてコメントを提出致します。ついては、会員の皆さまに予めご意見を頂きたく、コメントを頂ければと思います。締め切りは3月
16日17日20:00までとさせて下さい。皆さんからの意見を役員会で集約し、最終文面を確定した上で、英訳したものを国連子どもの人権委員会に提出する予定です。
なお、本パブコメを提出するにあたり「すちゃもく雑記 2nd」を参考にさせて頂いたとともに、本ページからのリンクを快く引き受けて頂いたbeniuoさんに感謝いたします。
[st-card-ex url="https://beni-uo.hatenablog.com/entry/2019/02/15/221540" target="_blank" rel="nofollow" label="" name="" bgcolor="" color="" readmore="続きを見る"] [st-card-ex url="https://tbinternet.ohchr.org/_layouts/treatybodyexternal/Download.aspx?symbolno=INT/CRC/INF/8870&Lang=en" target="_blank" rel="nofollow" label="" name="" bgcolor="" color="" readmore="ガイドライン案(英語)を見る"]参考資料
国連子どもの人権委員会のガイドラインに対するコメント
私たちエンターテイメント表現の自由の会(AFEE)は日本国内で表現の自由、とりわけマンガ・アニメ・ゲームなど日本の民衆文化に深く根ざした表現の自由を、エンターテイメント表現の当事者として擁護するための運動を行っています。
表現の自由は特に民主主義政治を支える基盤として、古くは「フランス人権宣言」や「世界人権宣言」などでもうたわれるもっとも重要な人権であり、私たちは表現の自由という価値観を人類共有の重要な価値観として共有できることを確信しています。
児童ポルノという用語について
まず私たちは、第6,65,66節において、子どもたちが受けた虐待を矮小化しないよう、「『児童ポルノ』という曖昧な概念が『児童の性的虐待物』、すなわち、性的虐待を受けている子どもたちの記録物(画像、ビデオ、音声記録など) 1」として明示的に再定義されることを支持します。ただし、その範囲は実在の児童が実際に性的虐待を受けることと不可分に一体であるものに限定するべきだと主張します。
私たちは児童の性的虐待を即時に抑止するべき深刻な犯罪とみなす立場に立っており、実在する児童の性的虐待物を表現の自由という概念によって守ることを求めておりません。
子ども自身が作り出す性的画像について
また、第70節において、「子どもたち自身が自分たち自身についての性的画像を作り出す性的画像を作り出すことに対して、刑事上の責任を問われてはならない 2」という意見にも、私たちは強く賛同します。
虐待を伴わない創作物について
しかし、私たちは本案第61,62,63,64節において、「児童の性的虐待物 3」に無制約に創作物、描写物が含められることに危惧を抱いています。マンガやCGは、写真や映像とは異なり、創造の過程において児童の性的虐待を伴う必然性がないことは自明です。私たちの共通の目的は、児童の性的虐待の抑止であり、特定の宗教観・保守的な 4道徳観の反映ではないと考えます。また、特定の宗教観・保守的な道徳観自体が、性的な表現物を忌避するものでありながら、一方でそのような主張を持つ人々が児童の性的虐待事件を起こしていることについても、留意を求めます。
この問題において「そのような描写は子どもを性の対象として見ることを正常化することに貢献し、子どもの性的虐待物の需要を刺激する 5」という概念がしばしば便利に利用されていることは、科学的事実に基づかず、特定の宗教観・保守的な道徳観の実現を要求することに他なりません。
そして、最大の問題が、OPSCにおける合意の範囲が、ルクセンブルクガイドラインを含めたガイドラインで変更されようとしていることであると指摘します。OPSC第2条(C) 6で記載される児童ポルノの定義では、「(実在する)児童の表現」とされており、マンガなどが含まれていた場合でも、それは、実在の児童の性的虐待の写真などを挿入した極めて希なマンガ(日本の刑法史上、そのような事例は報告されていない)に限定されるべきです。特に委員会はこのことについて、ガイドライン上で明確に記載するべきです。
上記に記載した「児童ポルノ」の「児童」の定義に実在しない空想上の児童が含まれないことは、OPSC第2条の(a)(b)には明らかに空想上の児童が含まれないことから、(c)においても空想上の児童が含まれないこと以外に解釈の余地がないことが明らかであることも申し添えます。
日本のマンガ・アニメ・ゲームについて
日本のマンガ・アニメ・ゲームの表現物は、現代日本文化の中から生み出され、同じ文化の中の成人に向けても多くの作品が作られています。また、私たちのほとんどは、空想の世界で描かれたものを想像することと、社会の中で実際に行動を起こすことは全く異なるものであり、後者には責任が伴うことを理解しています。
子供の目にそれが入らないことについては当然配慮が必要だと考えています。一方、すべての場所から一切のそれらの表現物を排除せよというような要請は、しばしば特定の宗教観・保守的な道徳観に基づいており、そのような特定の価値観に基づいた表現物の排除は表現の自由という人権に対する侵害であると考えています。
また、人種形質的な側面にも触れておかなくてはなりません。人種形質という概念について正面から取り扱うことは、歴史的な人種差別を鑑みると非常に困難なことですが、しかし、私たち日本を含む東アジア・東南アジアの人々が、他の人々から低年齢に見えやすい姿で成人することは、留意が必要だと考えています。私たちの中の成人がどのような姿をしているかは、私たちの中の成人のイメージがどのような姿をしているかに直接的に反映します。従って、私たちの姿、創作者を含めた私たちが持つ成人のイメージは自然の結果のものであり、他の人々の児童虐待を許容するというような意図とは何の関係もありません。
マンガ・アニメ・ゲームの多様性について
また、第33節に示される「男らしさとジェンダー 7」に関連して、マンガ・アニメ・ゲームなど日本の民衆文化においては、男らしさや固定的なジェンダー概念よりも、同性愛やトランスジェンダリズムを広く寛容に受け入れる動きが大きく見られ、日本社会の従来的な男らしさや固定的なジェンダー概念を実際に置き換えている文化的なうねりを形づくっていることを指摘します。
また、マンガ・アニメ・ゲームなど日本の民衆文化では、そのような性的少数者当事者、さらには子どもに対する性的虐待のサバイバーが、自らが受けた偏見や被害についての表現を行い、社会の中に居場所を見つけることにつながっている例があることも申し添えます。
脚注
(c) Child pornography means any representation, by whatever means, of a child engaged in real or simulated explicit sexual activities or any representation of the sexual parts of a child for primarily sexual purposes.
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