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「埼玉県営水上公園における水着撮影会の在り方について(提言)」(素案)についての意見

AFEEでは、埼玉県で行われている「埼玉県営水上公園における水着撮影会の在り方について(提言)」(素案)についてのパブコメを提出いたしました。
Discordに寄せられた会員の皆さんの意見をベースに、Discordの公開役員会で議論致しました。

「埼玉県営水上公園における水着撮影会の在り方について(提言)」(素案)に対する意見

エンターテイメント表現の自由の会 埼玉支部

弊会は「埼玉県営水上公園における水着撮影会の在り方について(提言)」(素案)について意見致します。

 

●意見提出可能者が限定されている件

 HP上の募集要項
 3 意見の提出方法
 (注)意見を提出できるのは、県内に住所を有する個人、法人、団体及び県内への通勤・通学者です。

今回の意見募集は県営公園でのイベントに関するものであるが、意見提出可能者が「県内に住所を有する個人、法人、団体及び県内への通勤・通学者」に限定されている。
現実的には当該公園でのイベントの主催者や参加者には本条件を満たさない者も多くいることが想定される。
実質的な利害関係者をパブコメの意見提出者から除外することは適当では無く、意見提出者を限定しない意見募集を再度おこなうべきである。

 

●「有害役務営業」の立法趣旨について

P7-8 (2)モデル・撮影者の年齢制限の在り方について
ア 埼玉県青少年健全育成条例においては、専ら客に異性の姿態を見せたり撮影させたりする役務を提供する営業などを「有害役務営業」と規定し、青少年を働かせることを禁じている。水着撮影会におけるモデル撮影は「有害役務営業」に該当するおそれがあるため、18 歳未満の青少年の出演は禁止すべきである。
イ 撮影者についても、同条例の規定により「有害役務営業」に該当する場合、青少年を客とすることが禁じられているため、モデルと同様に18 歳未満の参加は禁止すべきである。

水着撮影会のイベントについて、本提言では埼玉県青少年健全育成条例における「有害役務営業」に該当するおそれがあるとしている。
しかしながら、埼玉県 県民生活部 青少年課の資料(*)によると、有害役務営業を「いわゆる『JKビジネス等』」としており、水着撮影会は当初想定されていなかったものと考えられる。

公共施設(公園)の利用の制限は、精神的自由の制限に当たることから、より厳格な審査基準に基づいて行われる必要がある。また、公権力が表現の自由に介入することは必要最低限にすべきである。
今回公表されている審議会の議事概要によれば、水着撮影会を「有害役務営業」と位置づけ、人権の侵害を行うに足る必要があるという、地方自治法244条2項が定める「正当な理由」について議論された形跡はない。
また、そういった立法事実や条例制定当時の提案者による立法趣旨について議論された形跡もなく、公園の利用を事実上制限する議論としては不十分である。
仮に議論があったとしても、委員の氏名が公表されておらずその検証は不可能であり、議会を含めたさらなる議論・検証が必要である。

(*)有害役務営業(いわゆる「JKビジネス」等)の規制について
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/196815/jkzigyousya.pdf

 

●水着イベントを網羅的に検討していない

弊会から、事前に協会へ質問し、いくつかのイベントの開催方法や出演者のパターンについて、本提言による許可基準等に該当するかを尋ねたところ、「個別に具体的な企画内容を把握し、検討していくべきものと考えています。」との回答であった。
許可基準等を設定するのであれば、全ての水着撮影会に適用されるものとするべきであり、一部の既に開催された実績のあるイベントや出演者のみを想定して作成することは適当ではない。今回の提言については、再度、全ての水着撮影会を対象とした提言および許可基準等を設けるべきである。

埼玉県青少年健全育成条例によると「有害役務営業」の範疇に、今回議論となっている無店舗型有害役務営業が含まれる。今回の水着撮影会の場合は以下の①~③を満たすかが論点としてあげられる。
 ①人を派遣して役務を提供する営業
 ②客の性的好奇心をそそるおそれのあるもの
 ③専ら客に異性の姿態を見せる役務を提供する営業(風適法第二条第七項に規定する無店舗型性風俗特殊営業に該当するものを除く。)

以下のようなイベントは「有害役務営業」の定義に当てはまっておらず(少なくとも大いに議論の余地がある)、上記で述べたように、以下のようなイベントも含めて再度検討をするべきである。

  •  モデル及び撮影者が同一の性のみになるようなイベント
  •  中高の写真部の構成員など、もっぱら写真を取ることを目的としている青少年を含む撮影者のみのイベント
  •  モデルに対してギャランティは全く発生せず、主催者はモデルと撮影者のマッチングの場のみを提供するイベント

 

P7 (1)禁止項目(水着、ポーズ)の在り方について
その水着やポーズにより仮に公然わいせつ罪の成立が懸念されるような場合には、協会側もほう助罪に問われるおそれも出てくることもあり、少なくとも乳首や性器が露出する可能性のある水着やポーズは不許可とすべきである。

県営のプールはイベント開催以外には一般に開放されていると認識している。
その場では少なくない男性が上半身裸で乳首を露出している。一方、提言では男性の乳首の露出も不許可の対象とするように読み取れる。
事実と提言との差について、事前の協会への質問で整合性を尋ねたところ、協会からの回答では、男性モデルが出演するイベントについては、「個別に具体的な企画内容を把握し、検討していく」とあり、上記同様の理由から、このようなイベントを含めて再度検討を実施するべきである。

 

●公然わいせつ罪の成立要件について

提言では、乳首が露出する可能性のある水着やポーズについて、公然わいせつのほう助の罪の可能性があることから不許可とするべきとしている。
わいせつの定義については、各種裁判において明かとなり、実際に運用されているが、少なくとも乳首の露出について、公然わいせつ罪とした例は確認出来る限り近年では存在しない。乳首の露出について、公然わいせつのほう罪となる可能性から水着やポーズを不許可とする文脈は修正するべきである。

なお、弊会は乳首の露出についての男女差などを設けること、女性の乳首の露出を許可条件で禁止すること、公然わいせつ罪の成立が真に懸念されるような水着やポーズについて不許可とすることについてなんら意見を申し上げるものではない。

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