先日、AFEEでパブコメを提出致しました「第3次岐阜市男女共同参画基本計画改定版(案)」について、3月30日に答申がでました。今回はAFEEの指摘した箇所を中心に変更点をお知らせ致します。なお、以下の比較はAFEEで行ったものです。万全を期していますが誤りがあった場合はご容赦ください。
性表現の氾濫防止、メディア・リテラシー
AFEEのパブコメ
「(全ての人に対して)男女間の暴力行為を助長、連想させるような表現(を行なってはならない)」との文言があるが
- どのような表現が男女間の暴力行為を助長するのかを判断する根拠がどこにあり、判断しその責任を負う主体が何者であるのかが明示的でなく、その場の担当者の偏った価値観によって恣意的な運用がなされる危険性がある。少なくとも現時点において、一定の表現が暴力を助長するとの科学的な因果関係は明らかにされていない
- 男女間の暴力行為を連想させるような表現を規制することは、表現を通じて過去の被害経験を告発することや、そのような経験について表現を通じて咀嚼し克服することができなくなる
- エンターテイメント表現など現実には行われていない表現や既に死去し人権が存在しない表現についての表現を行うことが出来なくなる
上記のことから、本表現は削除すべきである。
「(全ての人に対して)不必要な性的表現を行わない」との文言があるが
- 性的表現が一様に悪いものであることを前提にしているかのようであるが、女性を含む表現者の立場から見て、性的表現は自分自身の内面を表すことに不可欠な表現であり、現実には満たされない望みについて表現を通じて満たそうとする合理的な心の動きでもある。それを悪とみなすことは多くの人の心の実態から目を背けることである
- 万人に向けて性的表現を行わないことを基本計画において求めることは憲法の表現の自由にも抵触する問題であり、安易に制限するべきではない
- 性的表現について、必要・不必要を判断する根拠はどこにあり、判断しその責任を負う主体が何者であるのかが明示的でなく、その場の担当者の偏った価値観によって恣意的な運用がなされる危険性がある
上記のことから、本表現は削除すべきである。
「人権に配慮した情報発信を行うとともに」との文言があるが、本文言の主体は行政であると想定されるため、行政による情報発信であることを明記すべきである。万が一、上記が全ての人に向けた制約となるのであれば、既に指摘の問題があるため、削除すべきである。
県の考え方
いただいたご意見をふまえ、以下のとおり修正いたします。
「情報通信技術(ICT)の進化やSNS等のインターネット上の様々なコミュニケーションツールの広がりに伴い、メディアの情報を主体的に読み解く能力や、メディアから情報を収集し活用する能力、メディアを通じコミュニケーションを行う能力などを身につけることが必要であります。これらメディア・リテラシーの向上にむけて、学習機会の充実を図るとともに、男女共同参画の視点に立ち、人権に配慮した情報の提供と啓発を行います。」
メディア・リテラシーの向上のための取組
AFEEのパブコメ
男女共同参画の観点から児童、生徒に対する悪影響とは、(メディアに影響され)他者の人権を軽んじるという価値観を持つことであるから「性の商品化」という広い意味を持つ言葉を用いるのではなく、他者の人権を尊重するという啓発を行うという文言にすべきである。
県の考え方
いただいたご意見をふまえ、以下のとおり修正いたします。
「具体的施策 メディア・リテラシーの向上のための取組主な取組
・メディア・リテラシーの向上のための教職員に対する研修及び、児童・生徒に対する学習機会の提供」