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eスポーツ武蔵野事情(武蔵野市議会議員 藪原太郎)

AFEEマガジンにご寄稿いただいた記事を、ご本人の許可を得てAFEEのサイトに投稿します。

eスポーツ武蔵野事情

武蔵野市議会議員 藪原太郎

ポケモントレーナーの朝は早い。私は大体6時頃に起きるのだが、目が覚めると枕元のスマホを手に取りポケモンGOを立ち上げる。朝はジムに置かれたポケモンたちのやる気が下がっていることが多いからだ。自宅から届く距離にあるジムのポケモンたちのやる気を確認し、容易に勝てるようであればジムを攻略する。この間約十分程度。うまくジムが攻略できた日は調子も良い。実はジムを奪い合っているトレーナー達とは面識はないのだがスマホの画面上でトレーナー名を見て、「ああ、いつもの人たちだ」となぜだか安堵、奇妙な連帯感すら感じている。
さて、ジムの攻略が終われば朝活だ。私は月曜日から金曜日まで、平日の朝はできるだけ駅で市政報告を配るようにしている。そしてこの朝活では生身のトレーナー達を多く見かける。一人一人の画面を覗くまでもない。モンスターボールを投げるスゥーっと画面をなぞる指の動き。それを追いかければ、見慣れたスマホ画面が自然と目に入っている感じだ。中には複数のスマホでポケモンをゲットしながら通勤される方もいる。武蔵野市内は多くのトレーナー達で溢れているのだ。
私は仕事柄、市内を歩き回っていることも多い。そこでもトレーナーと遭遇することがある。作品中のように「ポケモンバトルだ!」とならないのが少々残念ではあるが、年配ポケモントレーナーの方がお散歩しながらポケモンをゲットしている姿は大変多いと感じている。思い切って話しかけてみると、嬉しそうに色違いをゲットした話などを聞かせてくれたりするのだ。ポケモンGOもワールドチャンピオンシップスが開催されるなど、eスポーツとして定着しつつあるが、私としては普段あまり歩かない人がポケモンGOで歩き始めるなどのフレイル予防、日常生活の中で身体を動かすことのきっかけになるという部分にも注目したい。これがeスポーツの裾野にもなるだろう。
今年9月に開かれた市議会の一般質問では、中学生の部活動に関する質疑においてeスポーツに触れた。大まかに説明すると部活動にeスポーツを求める声が増えた場合にどうするかという内容だ。市としては現状では難しいが、eスポーツはすでに世界大会も開かれ、プロも存在することから考えていくとの答弁だった。今後に期待をしつつ、教育委員会の背中を押していきたいと思う。
実はこの質問を聞いてくれた市民の方から地域での手作りeスポーツ大会に誘われ、開催のお手伝いをさせていただいた。その内容は学校の体育館を利用してのマリオカート大会だ。マリオカートは運要素が強いことから大会向きではないようだが、実際にやってみると小学生たちが歓声を上げながら保護者が運動会さながらに応援するといった盛り上がりをみせた。
武蔵野市では少しずつeスポーツの種が蒔かれている。やがてeスポーツが他のスポーツ同様に愛され広がることを期待して応援していきたい。

藪原太郎(やぶはら・たろう)

武蔵野市議会議員 前職IT系、ウェブ系開発は今でも辛うじて可能。
昭和48年群馬県伊勢崎市生まれ。家族は妻と娘とモルモット。
趣味は林道ツーリング、ドライブ、ガルパンおじさん、ウーバー配達、ポケモンGO、アマチュア無線、その他趣味多数。
趣味は多いが立派な経歴はない。高校生の時にコミケ(晴海)で自作PCゲーム頒布経験あり。

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