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東京都不健全図書指定制度に関する意見書

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AFEEでは、2020年東京都知事選挙に際し、以下の通り東京都不健全図書指定制度に関する意見書を発表致しました。

東京都不健全図書指定制度に関する意見書

2020年5月吉日
エンターテイメント表現の自由の会
編集長 坂井崇俊

私たちエンターテイメント表現の自由の会(AFEE)は日本国内で表現の自由および情報アクセスの自由を主張し、特にマンガ・アニメ・ゲームなど、エンターテイメントの全てのジャンルにおいて消費者の権利・利益を守る活動を行う消費者団体です。
私たちは来るべき都知事選の立候補予定者に対し、東京都の青少年の健全育成と不健全図書指定制度についての公約を掲げるよう要望し、以下の意見を表明します。

(1) 不健全図書指定制度全体の問題

・令和2年4月に策定された東京都子供・若者計画(第二期)では「支援に当たっては、子供・若者を大人と共に生きるパートナーとして捉え、その能動性を引き出すため、当事者である子供・若者の目線に立って意見を聞き、その年齢や発達の程度に応じて最大限尊重し、支援に反映させていく姿勢が重要」とされています。しかし、現行の不健全図書指定制度では、青少年の権利制限が主眼に置かれており、子供・若者の意見を聞くこともないばかりか、子供・若者の目線に立つという姿勢が反映されているとは言えません。
・不健全図書指定制度は、昭和39年(56年前)に制定された東京都青少年の健全な育成に関する条例に基づいており、長期間にわたって同様の制度が維持されている一方、不健全な図書類等の指定によって青少年がより健全に育成したかの検証はなされていません。効果の検証なく惰性で形骸化した制度が運用され続けていることを懸念します。

(2) 青少年健全育成審議会の公正性、透明性の問題

・青少年健全育成審議会の委員構成は条例で規定されていますが、東京都職員、都民安全推進本部職員も委員に配置されています。また、青少年の代弁者となる委員はおらず、東京都民の意思を反映した公正な審議がなされているかどうかに疑問があります。
・審議会の議事進行のうち、諮問図書(不健全図書)の審議に関する議論は、審議会委員の決定により非公開とされ傍聴できないようになっており、議事録においても発言した委員名は匿名になっているなど、情報公開に関して疑問があります。

(3) 不健全図書指定制度の恣意的な運用の問題

・審議会に諮問される図書は、東京都職員によって予め選定されており、その選定基準は明らかにされていません。審議会は東京都職員の提案に全会一致で賛成するのが慣例となっており、予め選定される段階で結果はほぼ決まっています。
・何をもって不健全図書に該当するかの基準があいまいで、恣意的に解釈できる文言のため、著者および出版社は不健全図書指定を恐れ、表現活動の萎縮を招いています。
・東京都による不健全図書指定に関して、著者および出版社は事前に通知を受けることもなく、また抗弁の機会も認められないため、議論される余地がなく行政側からの一方的な手続きで決定される制度となっています。
・審議会は審議会運営要領に基づいて月一回開催され 、毎回必ず一冊以上の不健全図書が指定され続けています。制度維持のために毎月儀式のように審議会が開催されているのではないかという疑問があります。

(4) 東京都の不健全図書指定制度が社会に及ぼす過度な影響の問題

・東京都が不健全指定した図書について、全国に通信販売を行う大手販売業者が自主規制により販売を取り止めており、東京都による決定が及ぶ範囲は東京都内に限定されず、結果的に全国の成人を含む消費者に影響しています。
・東京都は不健全指定した図書を販売するにあたり、条例により青少年が手に取らないよう表示をする、棚を分けて陳列するなどの義務を書店に課していますが、実際には東京都内のほとんどの書店が成人向けとしても販売しなくなり、返本します。不健全指定された図書は販売される機会が失われることになります。

以上の理由から、私たちは東京都知事選挙の立候補者予定者に対し、以下の事項を公約に入れることを望みます。

    前時代的な青少年健全育成の考え方を脱却し、新たな時代に即した現実的な政策に転換する

以上

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