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「第3次愛媛県男女共同参画計画中間改定(案)」への意見

AFEEでは、愛媛県で行われている「第3次愛媛県男女共同参画計画中間改定(案)」についての意見を提出致しました。Discordに寄せられた会員の皆さんの意見をベースに、Discordの公開役員会で議論致しました。

「第3次愛媛県男女共同参画計画中間改定(案)」への意見

エンターテイメント表現の自由の会 代表 坂井崇俊
女性支部 代表 岩永千絵美

本計画案には、憲法上保障された表現の自由に影響を及ぼし得る内容が含まれており、愛媛県内の弊会会員からも懸念の声が寄せられています。弊会は東京都に所在地を置く団体ではありますが、こうした事情を踏まえ、表現の自由に関する活動を行う団体として本計画案について意見を取りまとめました。

第3次愛媛県男女共同参画計画は令和3年に策定され、今回、その中間改定が行われるものと承知しています。今回弊会が意見を述べる箇所には、現行計画の策定時から引き継がれている記載もあります。

一方、現行計画の策定から約5年が経過し、この間、社会状況やインターネットを取り巻く環境は変化しています。また、現行計画が策定時に踏まえた国の男女共同参画基本計画についても、第5次男女共同参画基本計画から第6次男女共同参画基本計画へと改定され、メディアにおける人権尊重に関する記載も変化しています。さらに、令和7年4月には情報流通プラットフォーム対処法が施行されるなど、インターネット上の権利侵害情報や違法情報への対応に関する制度整備も進められています。

中間改定に当たっては、従前から存在する記載であることのみを理由にこれを維持するのではなく、こうした国の計画や法制度、社会状況の変化を踏まえ、現在の状況に即した内容となっているかを改めて検討することが重要であると考えます。

以上を踏まえ、弊会は「第3次愛媛県男女共同参画計画中間改定(案)」について以下のとおり意見致します。

30ページ
主要課題1「男女の人権の尊重」
重点目標(2)「メディアにおける男女の人権の尊重」

インターネットや一部のメディアにおいて、性暴力表現など、人権侵害となるような違法・有害な情報の流通が社会問題となっています。

≪意見要旨≫
「性暴力表現など、人権侵害となるような違法・有害な情報」との記載は、「違法」と「有害」という性質の異なる概念を一括しており、どのような情報を対象としているのかが不明確である。
国の第6次男女共同参画基本計画では、「実在する人物の人権を侵害するような情報」や「違法な性・暴力表現」と対象を限定していることから、本計画についてもこれに準じて対象を明確化し、性的・暴力的な内容を含むことのみを理由として、違法ではない創作表現等が人権侵害となる「有害な情報」に含まれるとの誤解が生じない記載に修正することを求める。

≪意見詳細≫
実在する人物の性的画像を本人の意思に反して流通させる行為など、実在する人物の権利を侵害し、法令に違反する情報への対処が必要であることについては異論はない。

しかしながら、性的・暴力的な内容を含むという理由のみをもって、適法な情報や創作表現まで「有害」と評価し、行政施策の対象とすることには慎重であるべきである。

「違法」と「有害」は同一の概念ではない。「有害」という評価には価値判断が伴い得るため、対象が明確でなければ、法令上は適法な表現まで含むように解釈される余地がある。また、「性暴力表現」についても、実在する人物への人権侵害を伴う情報を指すのか、漫画、アニメ、ゲーム、小説等における架空の人物を対象とした描写まで含むのかが明らかではない。

性的・暴力的な内容を含むことそれ自体によって、適法な創作表現が当然に「有害な情報」となるものではなく、実在する人物への権利侵害や違法性とは明確に区別する必要がある。

本計画が中間改定に当たって踏まえている国の第6次男女共同参画基本計画では、「表現の自由を十分尊重しながら」とした上で、「性暴力表現など実在する人物の人権を侵害するような情報」や「違法な性・暴力表現」と対象を限定している。

これに対して、本計画案は「有害」を含め、「実在する人物」という限定もないため、対象範囲がより不明確となっている。

表現の自由に関わる行政施策では、対象を明確にすることが重要である。曖昧な「有害」という評価によって違法ではない創作表現等まで施策の対象となり得るとの懸念を生じさせ、過度な自主規制を招くことのないよう、第6次男女共同参画基本計画に準じて対象を明確化することを求める。

30ページ
主要課題1「男女の人権の尊重」

重点目標(2)「メディアにおける男女の人権の尊重」

表現の自由は尊重されるべきですが、その一方で表現の自由を享受する者は表現される側の人権や不快な表現に接しない自由にも十分な配慮を払う必要があります。

≪意見要旨≫
「不快」は個人の価値観等によって異なる主観的な概念であり、「不快な表現に接しない自由」を表現者が配慮すべきものとして広く位置付けることは、違法ではない表現の抑制につながるおそれがある。このため、「不快な表現に接しない自由」との記載を削除することを求める。

≪意見詳細≫
望まない表現に接することを自ら避けることや、表現への接触を事実上回避することが困難な状況において、受け手側の利益に一定の配慮を行うことまで否定するものではない。

「不快な表現に接しない自由」は、第1次男女共同参画基本計画でも用いられていたが、その策定に先立つ男女共同参画審議会答申では、メディアによる自主的対応にも触れた上で、行政の対応が「表現の自由に対する介入、干渉とならないように慎重な対応」が必要であるとされていた。一方、現在の第6次男女共同参画基本計画では「不快な表現に接しない自由」という包括的な表現は用いられておらず、実在する人物の人権を侵害する情報や違法な性・暴力表現など、より具体的な対象について施策が示されている。

また、「不快」は主観的な概念であり、その対象や配慮の内容も明確ではない。このような概念を一般的に表現者が配慮すべきものとして位置付けると、受け手が表現に接しないことを選択する自由から、他者にその表現をさせないことを求めるものへと拡張されるおそれがある。

以上から、具体的な権利侵害や違法な表現への対応とは区別し、「不快な表現に接しない自由」との記載は削除することを求める。

30ページ
主要課題1「男女の人権の尊重」
重点目標(2)「メディアにおける男女の人権の尊重」
施策の方向①「メディアにおける人権尊重の自主的取組」

ウ 有害図書類指定制度の効果的な運用、地域の環境浄化を図るための啓発活動を推進

また、同重点目標のこれまでの取組・成果(10ページ)として、

図書類等の有害指定を行い、有害図書類は青少年に販売・貸付けしないよう関係業者に通知するとともに販売店等に定期的に立入調査を実施し、環境の浄化に努めました。

≪意見要旨≫
有害図書類指定制度は、青少年の健全な育成を目的とする制度であり、男女共同参画を目的とする制度ではない。制度目的の混同を避けるため、本重点目標から当該制度に関する記載を削除することを求める。

≪意見詳細≫
愛媛県青少年保護条例第1条は、「青少年の健全な育成を阻害するおそれのある行為から青少年を保護し、もって青少年の健全な育成を図ること」を目的としている。また、第2条は、同条例をこの目的のためにのみ運用し、「県民の自由と権利を不当に制限することがないように注意しなければならない」と定めている。有害図書類指定制度も、この青少年保護という目的の下で運用される制度である。

一方、本計画では、有害図書類指定制度を「メディアにおける男女の人権の尊重」の具体的施策として位置付けている。しかし、青少年の健全育成と男女共同参画は異なる政策目的であり、青少年にとって有害と指定されることが、男女共同参画の観点からも問題のある表現であることを意味するものではない。

このような制度を男女共同参画施策として位置付けることは、「固定的性別役割分担意識」や「性差に関する偏見」など、男女共同参画政策における価値判断が有害図書類指定の判断にも用いられるとの誤解や、制度目的の混同を招くおそれがある。

有害図書類指定は、指定された図書類について青少年への販売、貸付け、閲覧等を制限するなど、表現物の流通に具体的な制約を伴う制度である。そのため、その目的と運用範囲を明確に区別することが重要である。

以上から、有害図書類指定制度及び販売店等への立入調査に関する記載は本重点目標から削除することを求める。仮に記載を残す場合でも、同制度は愛媛県青少年保護条例が定める目的及び基準に基づいてのみ運用し、男女共同参画における表現内容に対する価値判断を指定基準として用いるものではないことを明確にするべきである。

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ざしき
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