AFEEでは、長崎県で行われている「第2期長崎県ギャンブル等依存症対策推進計画(素案)」へのパブコメを提出いたしました。Discordに寄せられた会員の皆さんの意見をベースに、Discordの公開役員会で議論致しました。
第2期長崎県ギャンブル等依存症対策推進計画(素案)への意見
代表 坂井崇俊
序章
4 ギャンブル等依存症の定義
なお、基本法におけるギャンブル等依存症の定義からは外れますが、インターネットを介してゲームの課金等にのめり込むことにより生じる問題は、ギャンブル等依存症の問題と共通点が多いと考えられるため、これらも視野にいれた対策を行います。
※1 世界保健機関(WHO)が身体・精神疾患に関する世界共通の分類確立を目指して作成した「国際疾病分類」のこと。2019 年 5 月に「ゲーム行動症」が加わった。
- WHOの定義によるとゲーム行動症(Gaming Disorder)とゲームへの課金は切り分けて考えられており、本計画でも切り分けて記載するべきである
- 注記にICDが記載されているが、正式名称は「疾病及び関連保健問題の国際統計分類(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)」であり、正式名称を用いるべきである
第3章
1 発生予防
※1 ゲーム依存とは、ICD-11 でゲーム行動症として定義され、ゲームをすることに対する制御がきかなくなり、日常生活、人間関係、学業や健康などに様々な問題が生じている状態です。ゲーム依存の人は増加しており、その背景には、オンラインゲームの普及とギャンブル等と同じように射幸性が高い課金システムがあると言われています。DSM-5 ではインターネットゲーム障害が今後の研究対象として記載されました。
- 注記にICDが記載されているが、正式名称は「疾病及び関連保健問題の国際統計分類(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)」であり、正式名称を用いるべきである
- 「ゲーム依存の人は増加しており」とあるが、エビデンスが存在しない。研究としてアンケート調査等が行われていることは承知しているが、WHOが定義したゲーム行動症の定義と異なっていたり、「ゲーム依存が疑われる」人数であったり、学術的な統計処理がなされていないものであったりと、いずれも本計画書のように断定的に記載するエビデンスは十分ではないという認識である
- 厚生労働省はゲーム行動症を疾病としては認定しておらず、また、ゲーム行動症(ゲーム依存症)の発症のメカニズムは確立した科学的知見は持ち合わせてないと国会答弁(第204回国会 参議院 内閣委員会 第4号 令和3年3月16日)しており、射幸性の高い課金システムが影響しているかについては不明であり、記載を削除するべきである