AFEEでは、川口市で行われている「第3次川口市男女共同参画計画策定(素案)」へのパブコメを提出いたしました。Discordに寄せられた会員の皆さんの意見をベースに、Discordの公開役員会で議論致しました。
第3次川口市男女共同参画計画策定(素案)への意見
代表 坂井崇俊
○P22
>このため、表現の自由は尊重しつつも、性別による固定的な役割分担や差別を連想させ助長する表現、男女間における暴力などを正当化し助長する表現、不必要な性的な表現を用いないような配慮をメディアに要請する必要があります。
一例として、現在、川口市のSKIPシティ映像ミュージアムで開催中の「ちびまる子ちゃん展(主催:埼玉県)」について、川口市は川口市教育委員会と並んで後援をしている。しかしながら、「ちびまる子ちゃん」では、まる子の母親は専業主婦であり、父親はサラリーマンで家では座ってビールを飲んでいるなど、性別による固定的な役割分担や差別を連想させる表現がなされている。また、クラスメイトである関口がまる子を殴るシーンなど、男女間における暴力などを正当化して描かれている場面がある。
このように、特にエンターテイメント表現の世界において、本文章に示されるような表現は、憲法に保障された表現の自由として守られるべきである。行政から「要請」を行うことは民間の萎縮を招く可能性があり、検閲にも繋がりかねない行為である。こういったことから、本文章は削除するべきである。
○P23
>性別による固定的な役割分担やパートナー間における暴力、性暴力等を正当化し助長するもの、男女共同参画の視点に立った男女平等の推進を阻害するような表現の排除に向けた社会的気運の醸成を図るため、啓発や学習機会の充実を図ります。
性別による固定的な役割分担やパートナー間における暴力、性暴力等を正当化するような表現であってもエンターテイメント表現(現実の暴力などを伴わないもの)であれば、その表現自体には違法性はない。川口市がその合法的な「表現の排除」を計画の内容に含めることは憲法21条に定められた表現の自由に反することであり、本内容は削除すべきである。
>○P23
市民、市内の事業所、団体等から発信される情報についても、男女共同参画の視点に立った男女平等の推進が阻害されることのないよう、埼玉県が発行した「男女共同参画の視点から考える表現ガイド」等を活用するなどして、性差に関する偏見や人権軽視を助長する表現の排除に向けた取り組みを促進します。
川口市が「表現の排除」を促進することは憲法21条に定められた表現の自由に反することであり、著しい逸脱である。仮に憲法に定められた権利を侵害する場合は、せめても条例により、厳格に定義された条件において行われるべきであり、そうでない場合、本内容は削除すべきである。
念のため、弊団体は性別による固定的な役割分担や差別、男女間における暴力などを肯定するものではないことを付しておく。