マンガ・アニメ・ゲームの表現の自由を守るための消費者団体

AFEE エンターテイメント表現の自由の会

大分県「第6次おおいた男女共同参画プラン」のパブリックコメントを受けての変更箇所

先日、AFEEでパブコメを提出致しました「第6次おおいた男女共同参画プラン」について、3月29日に答申がでました。今回はAFEEの指摘した箇所を中心に変更点をお知らせ致します。なお、以下の比較はAFEEで行ったものです。万全を期していますが誤りがあった場合はご容赦ください。

p.32 基本目標Ⅲ 男女が安心できる生活の確保 【重点目標3】暴力の根絶に向けた取組の推進 現状の課題

変更前(パブリックコメント募集資料) 変更後(3月29日公表)
インターネットの普及により、違法・有害なポルノ画像等が広く流通し、容易に閲覧できる状況となっています。これらの情報を削除し、掲載者の検挙措置を講じる必要があります。 インターネットの普及により、違法または有害なポルノ画像等が広く流通し、容易に閲覧できる状況となっています。違法な情報については迅速な削除を行うとともに、掲載者の検挙等の厳正な取締りを推進し、有害な情報についても、青少年の健全育成や表現の自由等の観点から総合的に判断し、削除等の必要な措置を講じる必要があります

AFEEのパブコメ

≪意見要旨≫
「違法・有害なポルノ画像等」という曖昧な概念を一括して削除や検挙の対象とする記載は、違法性の有無が明確でない表現まで行政が恣意的に規制する余地を生み、憲法で保障された表現の自由に重大な萎縮効果を与えるおそれがある。違法行為への対応は既存の刑法等に基づき厳正に行うべきであり、「有害」という抽象的基準を理由とする包括的な削除や取締りは削除または修正されるべきである。

≪意見詳細≫
本記載は、「違法」と「有害」という性質の異なる概念を区別せずに一体として扱い、削除や検挙措置の必要性を述べている点で問題がある。
「違法」な表現については既存の法令に基づき厳正に対処すべきである一方、「有害」と評価される表現を削除や検挙措置の対象とすることは不適切であり、検挙は明確な違法行為に限定されるべきである。
「有害」という概念は主観的・価値判断的要素を含み、法的な判断基準が明確ではない。このような抽象的評価を根拠として捜査・検挙が想定されることは、罪刑法定主義および法的安定性を損なうおそれがあり、合法な成人向け表現や創作・芸術表現、社会的議論を目的とする表現に対しても萎縮効果を生じさせかねない。

したがって、違法なコンテンツへの対処と、合法だが一部から「有害」と評価され得る表現とを明確に区別し、「有害」という抽象的概念を根拠とする包括的な規制を前提とした記載は、削除または修正されるべきである。

大分県の考え方

ご意見を踏まえ、違法情報と有害情報を分け、下記のように修正します。
〈修正後〉
インターネットの普及により、違法または有害なポルノ画像等が広く流通し、容易に閲覧できる状況となっています。違法な情報については迅速な削除を行うとともに、掲載者の検挙等の厳正な取締りを推進し、有害な情報についても、青少年の健全育成や表現の自由等の観点から総合的に判断し、削除等の必要な措置を講じる必要があります。

〈県民意見募集時〉
インターネットの普及により、違法・有害なポルノ画像等が広く流通し、容易に閲覧できる状況となっています。これらの情報を削除し、掲載者の検挙措置を講じる必要があります。

p.33 基本目標Ⅲ 男女が安心できる生活の確保 【重点目標3】暴力の根絶に向けた取組の推進 主な取り組み 

変更前(パブリックコメント募集資料) 変更後(3月29日公表)

❷ こども、若年層に対する性的な暴力等の根絶に向けた対策の推進

青少年の健全な育成を害するおそれのある有害図書や興行が青少年の目に触れない環境づくりや、青少年をインターネット上の有害情報や犯罪被害から守り、また加害者とならないためのフィルタリングをはじめとしたペアレンタルコントロールの普及、家庭のルールづくりの推進

❷ こども、若年層に対する性的な暴力等の根絶に向けた対策の推進

青少年の健全な育成を害するおそれのある有害図書や興行が青少年の目に触れない環境づくりや、青少年をインターネット上の有害情報や犯罪被害から守り、また加害者とならないためのフィルタリングをはじめとしたペアレンタルコントロールの普及、家庭のルールづくりやメディアリテラシーの推進

AFEEのパブコメ

≪意見要旨≫
「有害図書や興行」との記載は、「興行」の範囲や内容が明確でなく、どのような表現活動やイベントが対象となるのか判然としない。このような不明確な概念を前提に、青少年の目に触れない環境づくりを行政施策として推進することは、表現の自由や知る権利に対する過度な萎縮効果を招くおそれがある。青少年保護においては、情報を遮断する施策を中心とするのではなく、メディアリテラシーの育成等を重視するべきである。

≪意見詳細≫
本記載にある「有害図書や興行」のうち、「興行」が何を指すのか、その範囲や判断基準が明確ではない。演劇、映画、音楽ライブ、展示会等の多様な表現活動が含まれ得る概念であるにもかかわらず、定義を示さないまま「有害」と結び付けることは、規制対象を不当に拡張するおそれがある。

このような不明確な概念を前提として「青少年の目に触れない環境づくり」を進めることは、違法性のない表現活動に対しても事前的な排除や自主規制を促し、表現の自由や青少年の知る権利に対する萎縮効果を生じさせかねない。

したがって、「興行」を含む対象範囲および判断基準を明確にしないまま、行政が排除を前提とした環境整備を推進する記載は、削除または修正されるべきである。

また、青少年をインターネット上の有害情報や犯罪被害から守るという目的自体は理解できるものの、情報に「触れさせない」ことを中心とした対策は、青少年が自ら情報を判断し、適切に向き合う力を育成する機会を奪いかねない。単に情報を遮断することによって守る手法は、長期的な青少年の健全な成長を促す点では根本的な解決とは言い難い。

フィルタリングやペアレンタルコントロール、家庭内でのルールづくりは一定の補助的役割を果たし得るものの、これらはあくまで一つの手段とすべきであり、メディアリテラシーの育成や情報に対する批判的思考力を育てる施策にこそ重点を置くべきである。

以上を踏まえ、「有害」という抽象的評価を前提として排除や遮断を中心とする施策は再検討されるべきであり、対象や手法を明確に限定した記載へと修正されることが求められる。

大分県の考え方

ご指摘のありました「有害図書や興行」についてですが、「大分県青少年の健全な育成条例に関する条例」第3条において、興行は「映画、演劇、演芸、見せ物その他これに類するもの」と定義しています。次に有害は同条例第20条において、「著しく性的感情を刺激するもの」、「著しく粗暴性又は残虐性を植え付けるもの」、「著しく犯罪や自殺を誘発するもの」の中で知事が指定するものとしており、規制対象が不当に拡張することのないよう定めています。
また、有害の指定に関しては青少年健全育成審議会を置き、委員の意見を聞くこととしており、不必要な排除や表現の自由の侵害とならないよう、慎重に進めています。あわせて、ご意見いただいた、メディアリテラシーの育成なども重要であり、青少年のインターネット利用状況などを把握しながら、適切な対策を推進していきます。なお、ご意見を踏まえ下記のように修正します。

〈修正後〉
青少年の健全な育成を害するおそれのある有害図書や興行が青少年の目に触れない環境づくりや、青少年をインターネット上の有害情報や犯罪被害から守り、また加害者とならないためのフィルタリングをはじめとしたペアレンタルコントロールの普及、家庭のルールづくりやメディアリテラシーの推進

〈県民意見募集時〉
青少年の健全な育成を害するおそれのある有害図書や興行が青少年の目に触れない環境づくりや、青少年をインターネット上の有害情報や犯罪被害から守り、また加害者とならないためのフィルタリングをはじめとしたペアレンタルコントロールの普及、家庭のルールづくりの推進

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