AFEEでは、群馬県で行われている「群馬県依存症対策推進計画」についてのパブコメを提出いたしました。
Discordに寄せられた会員の皆さんの意見をベースに、Discordの公開役員会で議論致しました。
「群馬県依存症対策推進計画」への意見
弊会は「群馬県依存症対策推進計画」について意見致します。
P2 2 計画の位置付け
ギャンブル等依存症対策に関する内容は、ギャンブル等依存症対策基本法第13条第1項に基づく「都道府県ギャンブル等依存症対策推進計画」として、それぞれ位置づけられるものとなります。
本計画の根拠法となる「ギャンブル等依存症対策基本法」において、厚生労働省はゲーム障害をギャンブル等に含まないとしているところである。
しかしながら、本計画においては、ゲーム障害について触れている箇所があり、あたかも、当該法律におけるギャンブル等の対象にゲームが含まれるという誤った認識を県民に持たせかねず、不適切であり、その旨本文で明記するべきである。
参考
第204回国会 参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 第3号 令和3年4月9日
○藤末健三:ギャンブル等依存症対策基本法においてネットやゲームはその定義に含まれているかどうか、政府の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(北波孝君) お答えをいたします。
ギャンブル等依存症対策基本法におきましては、第二条で、ギャンブル等というのを、法律の定めるところにより行われる公営競技、パチンコ屋に係る遊技その他の射幸行為というふうにしております。この二条に言いますその他の射幸行為には、ゲーム、インターネットは基本的に含まれない、これらゲーム、インターネットはギャンブル等依存症対策基本法上のギャンブル等には該当しないものと考えております。
P39 Ⅳ 薬物依存症対策及びゲーム依存症対策
2019 年 5 月には、いわゆるゲーム依存が WHO(世界保健機関)の国際疾病分類(ICD-11)に「ゲーム障害」の病名で認定されるなど、過剰なゲーム使用による問題が指摘されるようになってきています。
国際疾病分類は正式名称である「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」を行政文書として用いるべきである。
略称を用いることにより、「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」に記載された(疾病以外の)関連保健問題までもが、あたかも疾病であるかのような誤った認識を与えうるからである。
厚生労働省、WHO(ICD)、アメリカ精神医学会(DSM)のいずれにおいても、ゲーム障害は病気・疾病(disease / illness)として扱っていないと認識している。そのため、「ゲーム障害」を「病名(病気の名称)」として挙げることは不適切である。
P39 Ⅳ 薬物依存症対策及びゲーム依存症対策
ゲーム依存については、対象者に20歳未満の若者が多いという特徴がある点にも留意しながら、各種施策を推進してまいります。
ゲーム依存について、「20歳未満の若者が多い」と断定するために十分な根拠を示すべきである。根拠がない場合、記載を削除するべきである。
P39 1 発生を予防する
P40 2 進行を予防する
ゲーム依存症については、国会における厚生労働省の答弁によると、令和3年時点でゲーム依存についての治療、予防に関する確立した科学的根拠、科学的知見は承知していないとある。科学的根拠、科学的知見に基づいて発生や進行の予防を行う旨記載するべきである。
参考
第204回国会 参議院 内閣委員会 第4号 令和3年3月16日
○政府参考人(赤澤公省君;厚生労働省社会援護局障害保健福祉部長)
ゲーム依存、ネット依存、スマホ依存についての発症のメカニズムは現時点で確立した科学的知見は承知しておりません。
ゲーム依存、ネット依存、スマホ依存について、現時点で治療、予防に関する確立した科学的根拠、科学的知見は承知しておりません。今後、これらの発症のメカニズム等の解明につなげるよう、更なる研究により科学的知見の集積を図る必要があると考えております。