意見募集について
多くの方から、今回の経産省と総務省が意見募集しているガイドラインについてわかりづらいとのコメントを頂いています。一旦ここで整理したいと思いますので、ご覧頂ければと思います。
一体何のパブコメがでてるの?
今回は、2つの省庁が連携しながらも別々に以下の二つの意見募集(パブコメ)を行っています
- 【総務省】放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドライン」(改訂版)(案)及び同概要版(案)についての意見募集
- 【経済産業省】アニメーション制作業界における下請適正取引等の推進のためのガイドライン」(改訂版)(案)及び同概要版(案)の意見募集
上記、パブコメは両省ともアニメ業界やアニメーターへの待遇改善に関することで似ているので、今回みなさんが混乱しているのかと思います。
ちなみにガイドラインとは、法律に沿ってそれらに関わる省庁が、業界の人に分かりやすいような形で、指針を提示するものです。実際の今回のパブコメには契約書や発注書のひな形などが提示されており、これらに沿った形で契約や受発注行為を行うことで、ある程度の問題が解決されるということが期待されています。
二つのパブコメはどう違うの
総務省では、主にテレビ局と制作会社との関係について、アニメーション制作業界についてだけでなく記載しています。一方、経産省のパブコメについては、複数の制作会社間での下請け構造上起こる問題について、アニメーション制作業界に限って触れられています。AFEEはパブコメではこう言った分かりづらい点を改善するよう主張していますが、現状では、二つにそれぞれ分かれた形でのパブコメ募集になっています
どのようにパブコメを出したらいいの・ガイドラインを読むのが大変
それぞれのパブコメの詳しい提出方法は、最下部にある各省のリンクなどから行うことが出来ます。パブコメは広く国民の意見を募るということが趣旨ですので、業界の中にいる人はもちろん、業界外の方、素人の方でも意見を提出することが出来ます。ガイドラインの募集要項は、専門家である事も業界関係者である事も制限はありません。
今回のパブコメは100ページ超のガイドラインを二つ読むという作業としては非常に大変なものです。しかし極端な話、「このようなガイドラインは、絶対にアニメ産業には大切な物だと思います」とか「ガイドラインだけ作って、実際はどう守らせるのですか?」ということでも構いませんし、「ガイドラインが長くて素人には読めない」という意見も、今まで省庁には届いていなかった重要な意見だと思います。
もちろん、パブコメに提出された意見全体で見れば、具体的で完成度の高いガイドラインへの考察や追加内容は必要ですが、一方、多くの人たちからの関心の高さは、アニメーターの待遇改善を考える上で大切な意見です。そのためにも多くの方にパブコメに募集してもらう必要があります。
何が問題なの
AFEEとしては、特にアニメーター業界については、以下を課題として考えています
- 待遇が悪い(給与・労働環境・身分が安定していない)← 下請法と労働基準法の狭間で救われていない
- 制作業界に対価が行き渡らない ← アニメ産業全体の1割程度しか、制作業界にお金が落ちていない
- アニメ制作のプロジェクト管理能力が弱い ← アニメの複雑化・短納期化などにプロジェクト管理の工数やスキルが追いついていない
あくまでもAFEEにおける課題整理ですが、特に業界内部にいる方のご意見をAFEEでは求めています。
JAniCAなどによる調査結果
JAniCA(日本アニメーター・演出協会)などによろ「アニメーター実態調査2019」が発表されています。最新の職種別の平均給与や契約の締結状況などの実態のアンケート調査です
山田太郎のさんちゃんねる
今回の問題については、AFEEの名誉顧問の山田太郎前参議院議員なども動画で解説をしています。こちらも参考になります。
AFEE編集長私案
また、AFEEの会員の方限定になりますが、AFEE編集長私案を会員限定で公開しておりますので、どのような意見を出したらいいかわからないが意見を伝えたいという方は、こちらの編集長私案に30日19:00までにコメントを頂ければ、そちらを役員会で検討した上で最終的な意見として両省に提出することを予定しています
[st-card-ex url="https://afee.jp/2019/05/22/9732/" target="_blank" rel="nofollow" label="" name="" bgcolor="" color="" readmore="総務省パブコメの編集長私案"] [st-card-ex url="https://afee.jp/2019/05/22/9738/" target="_blank" rel="nofollow" label="" name="" bgcolor="" color="" readmore="経産省パブコメの編集長私案"]最後に
繰り返しになりますが、「的外れかもしれない」「素人だから」といった理由で提出を躊躇されることもあるかもしれません。しかし、簡単な意見で構いません。多くの方がこの問題に興味・関心を持っているということをパブコメの提出件数で示すことは、政治的には重要な力になります。是非とも皆さんのご協力をお願いします。