お知らせ 声明・意見書

毎日新聞への児童ポルノの定義に関する公開再質問状

投稿日:2019年1月14日 更新日:

昨年12月にアニメ・ゲームで描かれた実在しない児童についての創作物が児童ポルノであると誤解される署名記事が掲載されました。AFEEでは本件について毎日新聞社に対して「児童ポルノの定義に関する公開質問」を提出いたしました。この質問状に対し、12月29日に毎日新聞より「回答書」が届きました。回答書では、「児童ポルノという言葉には(略)実在しない児童の性的描写を含むことがあると認識」という、にわかに信じがたい回答がなされており、本日、再質問状を提出するものです。

児童ポルノの定義に関する公開再質問状

PDF版

2019年1月14日

株式会社毎日新聞社
編集編成局社会部長
磯崎由美殿

児童ポルノの定義に関する公開再質問状

エンターテイメント表現の自由の会
編集長 坂井崇俊

2018年12月18日付け「『児童ポルノの定義に関する公開質問状』についての回答書」を受領致しました。つきましては、下記の通り公開で再質問致しますので、本年1月末日までにご回答頂きたくよろしくお願い致します。

なお、頂きました回答につきましては、本会の公式サイト等で公開させて頂く予定ですので予めご了承ください。

  1. 御社回答書で言及されたサイバー犯罪条約には、「性的にあからさまな行為を行う未成年者(18歳未満)を表現する写実的影像」を児童ポルノだとする項目があるが、日本国は当該規定を適用しない権利を留保している*1。従って、御社回答書において、あたかも日本が非実在の児童についても児童ポルノとして承認しているかの様な表現は明らかに事実誤認であり、訂正または補足を行うべきと考える。この点について、御社の見解をお伺いしたい。
  1. 当該12月12日の記事中においては、「児童ポルノ」という単語は6箇所用いられている。うち5回については、日本の国内法の定義における「児童ポルノ」または、警察庁発表に基づいた「児童ポルノ」という文脈である。ところが、問題となっている「アニメやゲームで児童ポルノを目にした」という箇所ついてのみ、警察庁から入手した文書にも該当する表現がないばかりか、他5箇所の定義とは異なる御社の独自の定義であり、読者の誤解を招く恐れが非常に強い。今後の記事作成にあたっては、読者に誤解を招くことのないよう、御社独自の“広義の”児童ポルノの意味で児童ポルノという単語を用いる際は、その旨注釈をつけるなど、読者に誤解を与えない工夫をするべきと考える。この点について、御社の見解をお伺いしたい。

以上

*1 参議院議員山田太郎君提出国際約束上の児童ポルノの定義に関する質問に対する答弁書 http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/190/touh/t190067.htm

本件についてのお問い合わせ先
エンターテイメント表現の自由の会 担当:西形

再質問状解説

回答書上で、毎日新聞が”広義の”児童ポルノに実在しない児童(キャラクター)を含むという論拠は2点示されています。1点目が日本も批准しているサイバー犯罪条約では、児童ポルノの定義に実在しない児童が含まれていること。2点目がユニセフなどが共催したリオ会議で実在しない子どもについても製造・所持等を犯罪とするよう求めていることとしています。

1点目は再質問状本文でも記載しましたが、サイバー犯罪条約の第九条2cについては日本は留保(条約の特定の規定に関して自国についての適用を排除・変更するための宣言)を行っています。閣議決定された質問趣意書の答弁書(三についての2段落目)によれば、「我が国は、サイバー犯罪条約に関して、(略)およそ実在しない児童を描写した児童ポルノについて、サイバー犯罪条約に規定する義務を負うものではない。」と明記されています。毎日新聞社の回答では、あたかも日本が留保した点も含めて条約を承認しているように記載されており、問題と考えています。なお、念のため外務省に確認をしましたが、本条約の批准以降本日まで、当初の留保の範囲について一度の変更も加えていないことを確認しております。

2点目のリオ会議についてですが、この会議で採択された成果文書「児童の性的搾取を防止・根絶するためのリオデジャネイロ宣言および行動への呼びかけ(英文)」は、法的拘束力を持たず、日本を法的に制約するものではありません。

いずれにしても、これらの”広義の”児童ポルノを法律上の児童ポルノと同一の記事中で特に注釈をつけず用いることの問題点は、日本では児童ポルノという言葉は直接法に触れる単語として一般的に理解されており、実際に、性的目的の単純所持までが罰則をもって禁止されていることにあります。記事の中で拡大解釈した児童ポルノという言葉を注釈無しに用いれば、あたかも、マンガ・アニメの所持までもが違法行為であるとの認識を読者に抱かせかねず、公器としての新聞社の責任が問われると考える次第です。

なお、本件については、1月14日21:00~のAFEEちゃんねるでも詳しく解説させて頂く予定です。是非、ご覧下さい。

会員登録のお願い

まんぼう&ざしき
AFEEでは、マンガ・ゲーム・アニメを楽しむ人の立場から表現規制に反対しているのじゃ。興味のある方、無料メルマガ登録会員登録(1,000円)するのじゃ。(会員の方はログイン

-お知らせ, 声明・意見書

Copyright© AFEE エンターテイメント表現の自由の会 , 2019 All Rights Reserved.